沖縄の首里城近くに位置する「玉陵(たまうどぅん)」は、琉球王国第二尚氏王統の歴代国王とその家族が眠る場所です。
1501年に尚真王が父である尚円王のために築いたこの壮大な陵墓は、現在、琉球の歴史を伝える重要な文化財として保存されています。
訪れると、沖縄の独自の葬送文化や、琉球王国時代の権力と栄光を感じることができるでしょう。
玉陵の特徴

玉陵は、沖縄最大の破風墓(はふばか)であり、3つの墓室から成るユニークな建築が特徴です。
中央の「中室」では、遺体が数年間安置され、骨になるまで置かれた後、洗骨を行います。洗骨後、王とその妃の遺骨は「東室」に、その他の王族は「西室」に安置されます。この一連の葬儀のプロセスは、琉球王国独自の文化を反映しています。
さらに、敷地内には玉陵の葬送に関わる規定が記された「玉陵碑」があり、当時の葬制が厳密に守られていたことがわかります。
玉陵の基本情報
所在地 | 沖縄県那覇市首里金城町1-3 |
営業時間 | 9:00~18:00(最終入場 17:30) |
休業日 | なし |
観覧料 | 大人 300円、子供 150円(団体割引あり) |
駐車場 | なし(近隣の有料駐車場を利用) |
電話番号 | 098-885-2861 |
玉陵までのアクセス方法
公共交通機関でのアクセス
- ゆいレール:那覇空港から「ゆいレール」に乗車し、首里駅で下車。そこから徒歩約15分。
- バス:那覇バス1番、17番、市外線46番を利用し「首里城公園入口」バス停で下車し、徒歩約5分。
車でのアクセス
- 那覇空港から:車で約40分。首里城の近くに有料駐車場がありますが、周辺は混雑することが多いため、早めの到着をおすすめします。
玉陵の魅力

玉陵の魅力は、琉球王国の歴史とその独自の葬送文化に触れることができる点にあります。3つの墓室や玉陵碑、石彫りの獅子など、どの要素にも当時の技術と美意識が込められています。また、玉陵のデザインは首里城の正殿を模したものとされ、その壮麗な姿が訪れる者を圧倒します。
中でも、東室と西室に分けられた葬送方法は琉球独特のものであり、王家の葬送儀礼がいかに厳粛であったかを物語ります。周囲を囲む石垣や、細かく彫られた欄干の彫刻など、細部にまでこだわった建築様式も見逃せません。
玉陵へ行くべき理由
1. 琉球王国の歴史を体感
玉陵は、琉球王国の歴代国王が葬られている場所であり、王朝の歴史を肌で感じられます。沖縄戦での被害を乗り越えて復元されたこの場所は、沖縄の歴史を象徴する重要な遺産です。
2. 首里城から徒歩圏内
首里城から徒歩わずか5分の距離にあるため、首里城観光のついでに訪れやすいスポットです。首里城の華やかさと対照的な、静謐な空間を楽しむことができます。
3. 沖縄独特の葬送文化を学べる
琉球王国の葬送文化である「洗骨」など、他地域とは異なる独特の儀礼を学べる点も魅力の一つ。玉陵での埋葬の詳細を知ることで、沖縄の文化に対する理解が深まるでしょう。
玉陵の文化や歴史
琉球王国の歴代国王の安息の地
玉陵は、1501年に尚真王が父・尚円王を改葬するために築かれ、その後、琉球王国第二尚氏王統の歴代国王とその家族が葬られる場所となりました。琉球王国における「洗骨」という特有の葬送儀礼が行われ、王や王妃の遺骨は玉陵の東室に安置されました。
沖縄戦での被害と復元
第二次世界大戦中の沖縄戦では、首里城と同様に玉陵も大きな被害を受けました。東室・西室の一部は破壊されましたが、1974年から3年にわたり修復工事が行われ、現在の姿に復元されています。2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして世界遺産に登録されました。
現在の役割
現在、玉陵は世界遺産として観光客に公開されており、琉球王国の歴史や文化を伝える貴重な遺産です。沖縄独特の歴史や葬送文化を学び、感じることができる場所として、多くの人々が訪れています。
まとめ
玉陵(たまうどぅん)は、琉球王国第二尚氏王統の歴代国王とその家族が眠る壮大な陵墓であり、沖縄の歴史や文化に触れることができる重要な場所です。
首里城から徒歩圏内に位置し、琉球独自の葬送文化や、王朝の栄光を伝える建築様式を体感できます。訪れることで、沖縄戦での復興の歴史や、琉球王国の権威とその文化の深さを感じることができるでしょう。
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