沖縄の豊見城市に位置する旧海軍司令部壕は、第二次世界大戦末期の沖縄戦で使用された地下壕として、多くの歴史を秘めた場所です。
戦争の過酷な現実を目の当たりにしながら、平和の尊さを深く学ぶことができます。
司令官の辞世の句や自決の跡が残る壕内は、まさに戦争の生々しい痕跡を伝える貴重な戦跡。
多くの人々が訪れ、慰霊の塔で戦争犠牲者を偲び、平和への祈りを捧げる場となっています。
この記事では、旧海軍司令部壕の基本情報からアクセス方法、特徴や見学プログラムまで詳しくご紹介します。戦争の歴史を学び、平和を願う旅へ出かけましょう!
旧海軍司令部壕とは
旧海軍司令部壕は、第二次世界大戦末期に沖縄で唯一の地上戦が行われた場所として知られています。
この壕は、旧日本海軍が那覇空港(当時の小禄飛行場)を守るために作られた重要な軍事拠点でした。
現在では、沖縄戦の貴重な戦跡として多くの人々が訪れ、戦争の歴史を学び、平和を祈る場所となっています。
旧海軍司令部壕の基本情報
住所 | 〒901-0241 沖縄県豊見城市豊見城236 |
電話番号 | 098-850-4055 |
FAX番号 | 098-850-9342 |
営業時間 | 9:00~17:00(最終入場16:30) |
休館日 | 年中無休 |
利用可能カード | カード利用不可 |
参観料(個人) | 大人(高校生以上)600円、小人(小・中学生)300円、未就学児無料 |
参観料(団体) | 大人 400円、小人 200円(20名以上) |
Wi-Fi有無 | あり |
駐車場 | 100台(無料) |
旧海軍司令部壕のアクセス情報
車 | 那覇空港から約20分。駐車場は無料。 |
バス | 那覇空港から: 「95: 空港あしびなー線」 県庁前駅から: 「98: 琉大線」「56: 浦添線」 旭橋駅から: 「98: 琉大線」「55: 牧港線」「56: 浦添線」 赤嶺駅から: 「56: 浦添線」 |
旧海軍司令部壕の特徴
1. 3000人の兵によって掘られた地下壕
旧海軍司令部壕は、1944年に日本海軍第226設営隊(山根部隊)3000名によって掘られました。壕の長さは当時450メートルに及び、全てが人力で掘られたものです。
つるはしやくわなどを用いた手作業で掘られた壕は、艦砲射撃にも耐える設計で、多くの兵士が収容されました。
2. 75年前の痕跡が今に伝わる壕内
壕内には、当時の幹部が筆で書いた文字が残る「司令官室」や、「自決の跡」が残る部屋があります。
大田實少将が使用した司令官室の壁には、辞世の句や手榴弾の跡が生々しく残っており、戦争の悲惨さを今に伝えています。
3. 慰霊の塔と平和を祈る場所
壕内の見学後には、慰霊の塔に立ち寄り、戦争で亡くなった方々を偲ぶことができます。
献花台が常設されているこの場所は、歴史を学び、平和を祈るための大切な場所です。
旧海軍司令部壕で学べること
戦争の悲惨さと平和の尊さ
旧海軍司令部壕は、第二次世界大戦末期の沖縄戦の実態を伝える貴重な戦跡です。
ここでは、戦争の悲惨さや過酷さを学ぶことができます。
資料室の展示物
銃器や軍服
資料室には、当時使用されていた銃器や軍服が展示されています。
これらの展示物を通じて、当時の兵士たちがどのような装備をして戦っていたのかを具体的に知ることができます。
戦場で使われた武器や防具を見ることで、戦争の現実とその恐ろしさを実感することができます。
家族へ宛てた手紙
展示されている手紙は、兵士たちが家族に宛てたものです。これらの手紙には、戦場での厳しい状況や家族への思いが綴られており、当時の兵士たちの心情が伝わってきます。
家族への愛情と戦場の現実との狭間で揺れ動く兵士たちの姿を垣間見ることができます。
壕内での過酷な生活
高湿度と狭い空間
旧海軍司令部壕内は、湿度が非常に高く、狭い空間に多くの人々が収容されていました。
これにより、呼吸すらも困難な環境で生活していたことがわかります。壕内での過酷な生活条件は、戦争の苛烈さを如実に物語っています。
病人や死体が一緒に収容
戦闘が激化する中、壕内には病人や死体も一緒に収容されていました。
これは、限られた空間での生存がいかに過酷であったかを示しています。
戦闘の合間に新鮮な空気を吸うことが「生きている」ことを実感する瞬間だったという証言からも、壕内での生活の厳しさが伝わってきます。
戦闘の痕跡
手榴弾の弾痕
壕内の壁には、手榴弾による自決の痕跡が残されています。
これらの弾痕は、兵士たちが最後の瞬間に直面した絶望と恐怖を物語っています。
自決を余儀なくされた彼らの姿を通じて、戦争の非人間的な一面を感じることができます。
大田實少将の辞世の句
司令官室の壁には、旧海軍司令部の司令官であった大田實少将の辞世の句が残されています。
この句には、「大君の御はたのもとに死してこそ人と生まれし甲斐ぞありけり」という内容が記されています。
これは、天皇陛下のために戦い死ぬことが日本人として生まれてきた甲斐があるという意味で、当時の日本兵士の精神状態や覚悟を示しています。
戦争の無意味さと平和の大切さ
壕内での体験を通じて
壕内を見学することで、戦争の悲惨さと無意味さを体感できます。
戦争の現実を目の当たりにすることで、戦争がもたらす破壊と苦しみを実感し、二度と同じ過ちを繰り返してはならないという強い思いを抱くことができます。
平和の尊さ
旧海軍司令部壕を訪れることで、平和の尊さについて改めて考える機会が得られます。
現在の平和な生活がどれほど貴重で特別なものであるかを実感し、平和を維持するために何ができるのかを考えるきっかけとなります。
旧海軍司令部壕で学べる平和教育プログラム
旧海軍司令部壕では、訪れる人々が戦争の歴史を学び、平和への理解を深めるための多様な平和教育プログラムが提供されています。
これらのプログラムは、教育旅行や一般団体向けに設計されており、参加者が実際の戦跡を見学しながら、専門家の説明を通じて深く学ぶことができます。
平和教育プログラムの詳細と料金
プログラム名 | 対象 | 対応人数 | 所要時間 | 受入日時 | 料金 |
---|---|---|---|---|---|
ミニ講話 | 教育旅行、一般団体 | 20名以上 | 約10分 | 随時(要事前予約) | 無料 |
平和ガイド | 一般団体、個人 | 1~19名 | 約50分 | 毎週金曜日限定 | 無料 |
①14:30~ | |||||
②16:00~ |
プログラムの内容
ミニ講話(20名以上)
旧海軍司令部壕に到着後、慰霊の塔の前で約10分間のミニ講話が行われます。講話では、沖縄戦の背景や旧海軍司令部壕の建設経緯、戦争の悲惨さ、平和の尊さについて説明されます。事前に予約が必要です。
平和ガイド(19名以下)
旧海軍司令部壕の慰霊の塔から写真展、資料館、壕内までを専属ガイドが案内します。ガイドは各展示物や壕内の歴史について詳細に説明し、訪問者が戦争の歴史を深く理解できるようにサポートします。平和ガイドは毎週金曜日限定で、所要時間は約50分です。定員は19名までで、事前に予約が必要です。他の参加者と一緒に案内される場合もあります。
プログラム参加の注意事項
- 事前予約: すべてのプログラムは事前に予約が必要です。特に平和ガイドは定員が限られているため、早めの予約をお勧めします。
- 団体料金: 20名以上の団体の場合、参観料が割引になります。
- バリアフリー対応: ビジターセンター内はバリアフリー対応となっており、車イス対応トイレも完備されています。ただし、壕内の見学については、入口が階段となるため、車イスでの見学希望の方は、出口(スロープ)からの入場となります。事前に電話で確認と予約をお願いします。
旧海軍司令部壕を訪れる理由
旧海軍司令部壕は、戦争の悲惨さと平和の尊さを学ぶための貴重な場所です。
壕内での見学を通じて、戦争の歴史をリアルに体験し、平和の大切さを深く理解することができます。
また、専門家によるガイドや講話を通じて、より詳細で正確な情報を得ることができるため、教育旅行や平和学習の一環としても非常に有益です。
まとめ
旧海軍司令部壕は、沖縄戦の悲惨な歴史を伝える貴重な戦跡です。
那覇空港からのアクセスも良く、車やバスで気軽に訪れることができます。壕内を見学し、資料館で当時の遺品や展示物を通じて、戦争の悲惨さや平和の尊さを学びましょう。
歴史を学び、平和を祈るための大切な場所として、ぜひ一度訪れてみてください。
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